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消防士の仕事紹介【警防・消防編】実体験を交えて解説!

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消防士の仕事は「警防・消防」「救急」「救助」「予防」など様々な業務があります。

本記事では、「警防・消防」業務について元消防士が実体験や経験を交えて徹底解説します。

消防の業務に興味がある方必見です。

目次

消火活動

リサデバ

消防士と言ったら、火を消す専門家だよね!

消防士ってどんな仕事?と聞かれて真っ先に思い浮かべるのが「消火活動」ではないでしょうか。

消火活動とは、119番で火災の通報を受けた際に現場へ急行し、近隣への延焼防止や迅速な火災の鎮圧を目的としています。

火を消すという目的は同じですが、燃えている”モノ”や”火災の規模”によって消火の仕方や活動方針が異なります。

火災の種別は沢山ありますが、その中でもよくある火災を3例紹介します。

建物火災(たてもの)

建物火災は皆さんが住んでいる家やお店などの建物が燃えてしまう火災です。

建物火災は比較的火災の鎮圧まで時間がかかります。一軒家が全焼した場合だと、3~5時間程度放水します。倉庫などになると火災は大きさにもよりますが10時間以上放水したこともあります。

隣接している住宅がある場合は、そちらに火が回らないように延焼防止を図りながら燃えている建物に放水して消火します。

この時、消防士はただ水を大量に放水しているのではなく、近隣施設等への水害なども考慮しながら活動しています。

この建物火災は、下記にある火災よりも人員が必要です。

そのため、消防車も多く出場します。そして、それぞれの隊がどこで何をしているかを明確にするために「指揮隊」と呼ばれる組織が各隊の指揮を執ります。その間に情報の収集と火災の状況を判断して各隊に下命し迅速な消火を目指します。

指揮隊は地方の消防では、人員不足の問題もあるので「予防係」が兼務する場合もあります。

また、建物内に住民が取り残されている場合は救助隊が主となり協力しつつ、燃え盛る建物の内部に侵入して救助活動を行います。

実際に私が延焼中の建物へ屋内侵入した時は、高温の熱と、煙が充満していて周囲や足元すらも見えませんでした。侵入隊の私と、もう一名の同僚で何とか救助できた方はその後、入院を経て社会復帰もできました。

そのような報告をするために消防署へ来署されて「ありがとう」の言葉を頂いたときは心の底から安堵しました。

林野火災(りんや)

林野火災は、森林・野原・田んぼ・畑が燃えてしまう火災です。

野原・田んぼ・畑は比較的短時間で消火ができますが、森林まで火の手が回ってしまうと非常に厄介な火災になってしまいます。

基本的に人が行動する場所には消火栓や防火水槽がありますが森林の中には基本的にありません。そのため、防災ヘリを要請したり、リュックサックの様な背負える袋に水を入れて少しずつ消火したりします。

参照:アキレス株式会社

周囲に消防水利がある場合は、1本20mのホースを数十本伸ばして消火します。

坂道を登りながらホースを伸ばすだけで心が折れそうになったこともありますが、消防士は地域住民の安心・安全を守るために消火しきるまで数時間戦います。

アメリカのカリフォルニアやオーストラリアの森林火災のニュースは見たことがあるでしょうか?大規模になると、これらのように数週間燃え続けてしまいます。

車両火災(しゃりょう)

車両火災は、自動車や重機などが燃えてしまう火災です。

車両の火災は建物や林野火災とは違いガソリンなどのオイルが流出する恐れがあります。ガソリンなどに火がついている場合、そこに放水しても油と水は混ざり合わないため逆に油を広範囲に広げてしまい、結果的に延焼範囲も拡大させてしまいます。

そんな時は化学薬剤を使用して「水」ではなく「泡」を使って消火します。

大型重機が火災になった際に、ガソリンに燃え広がり爆発したことがありました。皆さんも普段乗っている自動車から火が出た場合は大変危険ですので離れた所で消防車を待ちましょう。

火災の原因調査

リサデバ

原因調査って何を調査するのかな?

火災が鎮火したら、その火災はどのような要因があり、出火に至ったのかを調査して国へ報告します。

東京消防庁や規模が大きい自治体では、火災調査専門の部署があり各種書類を作成報告しますが、職員数の少ない自治体では火災の件数自体も少ないので、火災出場隊が殆どの事務処理を担う自治体も多いです。

基本的には、警察と合同で行います。そして、出火原因やどのように各隊が活動して消火に至ったのかを記録します。

警察は事件性の有無を確認する「捜査」ですが、消防は今後の火災の予防を目的として「消防行政の推進」などを目的として原因調査を実施しています。

火災が無い期間は、訓練や自主教養等行う時間があるのですが、火災が発生してしまうと原因調査を作り上げるのが優先事項になり、災害出場時以外はずっとパソコンと睨めっこしていました。

PA連携

リサデバ

PAってどんな意味かな?

消防隊はPA連携という活動も行います。

PA連携とは、ポンプ車(Pumper)と救急車(Ambulance)の頭文字から付けられた名前です。

活動内容は、119番で救急の通報があった際に、近隣の救急車が他の事案で出払っていて傷病者に接触するまでに時間がかかってしまう場合や、救急車到着までに応急手当が必要な場合。

傷病者自体が高重量の場合や、建物の高層階からの搬出が必要な場合に救急隊だけでは搬送が難しいと判断された時などに「PA連携」が行われます。

あなたが救急車を呼んだ際に消防車が来たとしても、訓練を積んでいる隊員たちが対応するのでご安心ください。

ちなみに、消防車の中にも簡易的な処置をするための資機材が積載してある消防車もあります。

また、救急隊でドクターヘリや防災ヘリを要請した際にそのヘリが安全に着陸できるように地上の安全管理をすることもあります。

ヘリの離着陸は、普段あまり目にすることが無いので近くで見たいと考える方もいると思います。ヘリコプターは離着陸の際に回転翼から吹き起こされる「ダウンウォッシュ」とよばれる強風が発生します。

過去には「ダウンウォッシュ」の影響で石が目に入り失明した方もいますので十分注意しましょう。

地水利調査

リサデバ

町で消防士さんが消火栓を開けていたけど何をしていたのかな?

消防隊は、地水利調査(地理・水利調査)を行います。

地水利調査はその消防署が管轄する地域の消火栓や防火水槽が災害時に異状なく使用できるかを日常的に確認して回る業務です。

確認内容はこのようなことを確認しています。

  • 標識が設置してあるか
  • 標識は見えにくくなっていないか
  • 消火栓の蓋は異状なく開けられるか
  • 消火栓の開閉が異状なく出来るか水が出るか)
  • 防火水槽は満水か
  • 水利へ接近しやすいか

火災発生時に迅速な消火活動を行うために日々消防職員が確認しています。

また、若手の職員が管内の消防水利の位置を確認したり、地域の道順を覚えるためにも重要な業務なので、消防士が消火栓や防火水槽を開けていたら地水利調査をしているのだと思ってください。

まとめ

  • その現場に合わせた消火活動を行っている
  • 火災の後には、出火の原因調査を行っている
  • 救急隊とPA連携を行い、より確実な救急活動をしている
  • 火災に備えて、日々地水利調査を行っている

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この記事を書いた人

「消防士との出会いをあなたに」をコンセプトにブログを運営しています。
・元消防士(救助)
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